UVicでB.Comを専攻し、今はDowntownの某社にてせこせこと日々まじめに働く夜更かし厳禁番長。すっかり生活変わりました、はい。


by mori_mori_108
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カテゴリ:留学生日記( 4 )

第四話「それから」

留学という話を親についに打ち明けた後、それからというもの、留学関連の情報を真剣に探し始めた家森。すっかり物事が逆転してるのではなんていうことも感じざるも得ないが、最初は到底親にも相手にはされないのではと諦め半分な面もあったので、親が、自分が決めたならということでどこまでできるのかやってみなさいという形で、とりあえず留学をするのが承諾された今は、自分自身でできるかぎり留学実現への道を切り開くだけなのである。英字新聞などを購読していただけあって、家森自身にもそれなりの情報を得る手立てはあったが、まずは留学関連のサイトをインターネットでチェックすることから始めてみた。ネット上の情報は雑誌や本などにある情報とは違い、実際に留学を現在している人が生の情報を日記に書いていたり、またはある特定の学校についての学生生活の生々しい実態などがわかったりするので、かなり重宝する情報源だ。とはいえ、雑誌や本の知識も見逃すわけにはいかないので、家森はネット上にてある程度、情報を集めた後、書店へと足を運んだ。書店にいくと大概は留学本が置かれているものだ。中でも良く目立つのは国別に分かれたものだろう。アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスが主な留学先らしい。アメリカ留学に関する本はわんさかあふれていた。とりあえず、アメリカ、カナダなど主な留学先の本に目を通してみるが、ネット上でも情報量が多かったアメリカが、留学先としては最適だろうと、アメリカ留学の本を一つ選んで買うことにした。留学先の本を選んだ後、不図カナダの写真、たぶんアルゴンクイン国立公園で収められた写真だろうか、が目に入った。カナダかと心にちょっとした戸惑いができた。なにしろ、今まで想像もしなかった現実が目の前にあらわになった感じだった。もしカナダに留学するとなれば、こういった写真に収められた場所にも訪れる機会もあるのだろう。アメリカにいったとしても同じである。ワシントンDCのホワイトハウス、フロリダのディズニーワールド、ネバダのラスベガス、ロス・アンゼルスのハリウッド、シリコンバレー。そういった場所場所との距離がかなり近づくわけであって、今生活しているこの日本からはかなり遠のくわけである。そういうことっていうのはいまさら気づくことではないのであろうが、なんだか現実味を帯び始めたこの留学話、そして書店で眺めたカナダの写真、そういったことからついには現実感を連想せざるをえなくならなくなった今。ちょっとした心配もなくもない。
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by mori_mori_108 | 2005-07-20 05:37 | 留学生日記
第三話「決断」

留学への期待が高まる中、一方では、果たしてそれが自分の今選べる最善の道なのであろうかと、躊躇してしまっている自分。そういった感じを察したのか、家森の親は、今後の進路について何か具体的な案はないのかと、聞いてくる。簡単に、「留学したいなぁ」なんてこぼすこともできず、いったい何ができるんだろうかなぁ、自分にはという感じでちょっと重苦しく感じしてしまう問いかけだ。家森自身、そういった煮えない態度をとっている自分がどれだけ親にとっても、苦痛であるかはわかっていながらも、決して自分からこれがやりたいから、これをしなくては、これしかもうないんだっていうような断定的な口調で、物事をすすめられないという自分の性格から、決して一歩前進できるような答え方ができない。親にしてみれば、自分の息子が何を考えているのかわからないというのはかなり不安だろう。何よりも彼にとってもっとも決断をすべきときに、それを押し付けてよいものなのか、それとも自分自身で見極められるまで待つべきなのか。そういった葛藤があるようなそんな感じだろうか。
自分の身の振り方についての話を避けたいがために、家森は親との会話をする機会をなるだけ少なくと願わんばかりだったが、最終的には親の方から、どうしたいのだろうかというような感じで、真剣に話をしなくてはならないような雰囲気の中、すっかり敬遠気味だった家森も、さすがにこのときだけは、何か具体的な案を提示しなくては親も納得がいかないのだろうと察した。
妙な話だが、家森の親にはかなりとっさの判断のように聞こえたことだろう。「留学?」というような感じの半分何をいっているのかわからないので、聞き返しているような感じの受け答えだった。今まで「留学」なんていうことは聞いたこともなかっただろうし、なにより海外で家森が一人で暮らすことができるのだろうかということを心配したのだろう。すっかりどうしたものかという感じで、顔色が冴えない親のそばで、遂に自分の「留学」という決断に一歩近づけたのではないだろうかと、心中、何気にほっとしている家森。これからすべきはいつ、どこ、から始まって、果てしなく続く留学という未知の世界への疑問を、どれだけ解消するかだろう。
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by mori_mori_108 | 2005-04-06 14:41 | 留学生日記
第二話「留学のススメ」

すっきりしない心模様も、冬から春に季節が変わり、梅や桜の花々が咲き乱れている情景に呼応してか、それなりに心のもやもやとした部分が何かしらそぎ落とされたかのような、そんな妙なすがすがしさを感じている。まったくといっていいほど、進展のない探求の綴りも、ちょっと一休みをしたくなるほどに、気持ちが不図軽く感じられる。決して、悪くはない感じだ。テレビでは、新卒の学生達が入社式に参列する光景や、新しく小学校へと進入する子供達の躍起に満ちた光景などが映し出されている。雑誌もそうだ。「新しい」という文字を見かける頻度は妙に高い。なんだか、自分も「新しい」何かに出会いたいものだと家森は感じた。
少し遠出をしたときに、電車のガラス張りの窓に映し出された自分の顔が、不図目に入った。周りの明るい笑顔たちとはうらはらに、自分の顔はに妙にさえない、ぎこちない感じだ。表向き用の顔もすっかりピンとこない。
そんな春のある日。不図したことから、留学の雑誌を書店で購入。まぁ、せいぜいの見栄っ張りというところだろうか。家森はすっかり現実逃避的な自己本能もここまで落ちぶれたかと、感じてしまった。いまさら留学か。はっきりそういわれてもおかしくはないだろう。今まで留学なんていうことは一回も考えたことがなかったような自分に、留学という二文字は、選挙という二文字ほどに縁遠いものだ。家森の家族は率先して投票にいくほどに、熱心ではあるが、家森自身はそれほどに興味があるものではない。妙に哀しい話だが、家森は誰が当選してもそれ自体が大きな影響をもたらすとは考えたことがないのだ。もっと言えば、単純にどの政治家も信用ならないのだろう。そう、選挙。身近な話だが、縁遠い。留学もそういった感じだろうか。言葉は知っていても、実際に自分自身が留学するなんていうこと夢にも思ったことがない。
しかしながら、留学の雑誌を買ってからの家森は、不図、留学という新しい世界への期待を感じるようになった。決して夢なんかではない。もともと英語自体は不得意というわけでもない。英字新聞も購読していた時期があった。よく考えれば、英語は結構身近な存在だ。
今までなにか拍子抜けしていた顔も、なんだか穏やかな感じの表情をしている。何かっていうのは留学なのか。たしかにこれは大きな飛躍になるだろう。決して簡単なものでもないし、大きな決断ということも間違いない。さて、どうしたものか。
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by mori_mori_108 | 2005-03-29 09:15 | 留学生日記
第一話「家森」

すべくもがな。
日々、なんの気力もない生活をすごしていた家森は、不意に何か自分にはできることがないのかと、考え始めた。高校時代の友人は今では大学を卒業し、会社に勤めるサラリーマン。自分は何をしているんだろう。何かできることはないのか。家に帰っても、特に楽しみといえることもない。テレビをつけて、好きな番組を見ていれば、そこそこに時間は過ごせるが、それが果たしていいことなのかもわからない。何かできることはないのか。別に愚弄なわけじゃない。別に蔑まれるような生活でもない。ただただ、なにかが足りない。とりわけ、達成感もない生活には何かがたりない。では、何かできることはないのかと必死に問いかける自分は、いったい何なのか。家森は悶々とした顔つきで、「何か」を探すべきか、それともすべてはただの心の迷いに過ぎないのかと、あらゆる想いから、必死に答えを導き出そうとしている。「難しい」。決して学生として、頭のいいほうではなかったし、自分に見合った職なんていうのも、さっぱりわからない。もともと絵を描くことや、デザイン系の職にはあこがれるものの、専門的な知識がともなわないために、お金を得て働くということはできそうにもない。結局こうした悩みを抱えながら、日々はたっていく。家の窓から外を見ると、すっかり夕焼け模様のそらの下に、会社帰りの大人たちや、学校帰りの学生達が、なにか楽しげに道沿いを通り過ぎていく。また一日を無駄にすごしてしまったのかと、家森は感傷的になるが、結局のところ、答えらしき答えはえられない、自分が悔しいのか、家森の顔は、悲しさよりも虚しさの様相を呈していた。
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by mori_mori_108 | 2005-03-27 04:36 | 留学生日記